当社が取り組むソーシャルビジネス創業。「ソーシャルビジネスって何ですか?社会貢献?」と聞かれることがよくあります。
私の認識は、世の中に存在する社会ニーズ・社会課題や、人々がまだ気づいていない「こうだったらいいのになぁ」に向き合うこと。そして、それをビジネスの形で解決策を提案する手法がソーシャルビジネスです。
マーケティング活動とは、好ましい知覚情報をどう作り上げるかにかかっています。そしてブランドを資産として所有しているのは企業でも、ブランドを知覚情報として、心の中に持っているのはお客様です。即ち、ブランドは企業・社会・お客様が共有する社会共有価値だと言えます。
心という言葉の語源は「コロコロ」だという説があります。コロコロと移ろいやすい物であり、動かさないためにはココロを刺して止める必要がある。それがココロザシ、志であると。
ただでさえ人間の心は変わりやすいのに、企業側(ブランド側)の活動や発信するメッセージ、発売される商品の提案がバラバラだったらどうでしょうか。
お客様から見たら「一体このブランドは私に何を伝えたいのだろう…。」となると思いませんか?
・価格帯が高級で、味は素晴らしいのに、従業員の態度が不遜なレストラン。
・パッケージデザインは素敵なのに、飲んでみたら全くイメージと異なる味の清涼飲料水。
・最先端の技術を搭載していると謳っているのに、とても使いにくいスマートフォン。
これらの商品・サービスは、僕が経験した「一度は試したけど二度と使うまい」と思ったものです。勿論、その商品だけでなく、そのブランド自体をそれ以降使うことはなくなりました。
ブランド自体のファンになってもらう為には、そのブランドから得られる全てのアウトプットの「質」を統一する必要があります。ブランド活動に携わる人の意識を統一し、みんなが同じ方向を向き、同じサービスや商品をお客様に届けられるようにする。
言うは易し行うは難しですね。だからこそ、一度自分たちは何のために普段の活動をやっているのかを共有化し・認識するプロセスがブランドマネジメントには欠かせません。
ブランドマネジメントの為のチェックリストとして、当社では下記の「カウンセリングシート」を使用しています。
この質問に沿って、トップから現場のメンバーまで皆んなが大事にしたい価値観を再確認してゆくお手伝いをします。自分達が自分達に「何のために?」「何をやるのか?」を問いかけるプロセスはブランドの本質的な価値を再認識し、関わるメンバーの意識を一つにするために有効です。
例えば、freebee株式会社で実施しているコンサルティングサービスを例にしてみると、
1. 何のために?
新しい価値創造を目指す事業家のお客様の為に、現場での最良のパートナーを目指します。
2. 大切にしたいお客様は、
30~40代の現場のマネージャー、ワーキングマザー、起業家の皆様です。
3. お客様の心の声、
過度に利益を追い求める企業スタイルが変わってきている。これからは生活者や社会に
もっと寄り添った商品やサービスを開発してゆきたい。でもスキル・経験不足でいつも困っている。誰か手軽に相談に乗ってくれる人はいないものか?
4. 私達だけにできること、
独自の事業開発・事業運営手法により、御社ビジネスの本質まで立ち返り、新たな価値の創造にハンズオンで取り組みます。
5. 何故それができるかというと、
大手企業での10年に及ぶ企画開発経験、国内/海外事業で培った豊富な現場経験と
幅広いネットワークを持っているので、現場の皆さんの悩みに寄り添い、適切なアドバイスを実施する事が可能なのです。
このようにブランド価値整理のワークショップを関係するメンバー全員でやる事も良いと思います。企画者、開発者、クリエイター、営業スタッフ、店舗の店長、社長、みんながそれぞれ感じている想いを、お客様の目線にまで立ち返って整理する。そのプロセス自体がブランドマネジメントの最初の一歩になるはずです。