大手メーカーの駐在員というステータスを卒業して、起業家として生きて行く。前にも書きましたが、その選択の半分以上の理由は「今、社長という仕事をやりたいから」でした。
この前知り合いの編集者に「10年は待てないですよ。息子は10歳で亡くなったんだし」と話したら、「すごい自信家!あの企業で10年後に社長やるつもりだったの?」と爆笑されましたが、、結構本気だったけどね 笑。
でも、もう一つの大きな理由はやっぱり家族との関係性です。妻とは彼女が19歳の時から一緒にいますが、大学も同窓でI.Qは恐らく自分よりも高い彼女を(結果的に)、僕の人生に付き合わせるばっかりになってしまった。長男も旅だったし、そろそろ彼女を自由に世の中に送り出したいという気持ちはずっとありました。
僕はカンボジアやミャンマー、インドなどの新興国でビジネスをやりたいし、あわよくば住みたいという欲求を持っていました。でもそれは家族全員の統一意思ではありませんでした。広州とバンコクの2度の駐在で2度とも妻は体調を崩しました。広州の時はその理由の多くは亡くなった長男の育児・介護だったけど、それが無かったとしても、やっぱり駐在員の妻・ビジネスパーソンを陰で支えるみたいなステータスは、彼女にとっては人の人生でしかない。
そんな事をここ数年考えていた事もあって、彼女が自分らしく生きられるのはやっぱり日本だろうと、思い切って2人で新しいライフスタイルに飛び出してみたわけです。今、湘南・鎌倉に家族揃って住みながら、妻も僕も自由業、僕はアジア中心に出張で世界を飛び回る 笑、そんな生活がスタートしました。チャネラーの妻はその画像を数年前からイメージできてたらしいけど、、その話はまた別の機会に。
同世代のアラフォー日本人男性にとって、心の器の中に占める考え事の上位3位は、1位 仕事の事、2位 キャリアや自分の生き方の事、3位 家族の事(同点3.自分自身のプライベートの事)ぐらいの優先順位じゃないかと思います。僕はそうでした。
でもうちの奥さんは、1位 育児の事、2位 家事や炊事の事、3位 自分自身の生き方の事、4位 自分自身のプライベート・仕事の事、みたいな優先順位だと思うんです。育児と家事が2つに分かれる分だけ、男性よりも考えるべき大項目が1つ多くなります。物理的な時間よりも、心理的な負荷の大きさが課題です。
こうなると仕事の事とか、プライベートとかを考える余裕はなくなると思う。自分がやりたい事が何か、どう生きていきたいか、を考える心の器はあっても、心のキャパがそこまで間に合わなくなる。唯一この悩みを相談できるはずのパートナーは仕事の事やキャリアの事でキャパオーバー…。我が家の構造ではありますが、多かれ少なかれ、一般的な日本人の夫婦にも当てはまるのではないでしょうか?
僕がせめて育児と家事・炊事の一部を主体的にやろうと思ったのは、この構造に気づいてからです(遅いけど)。それが湘南でコンサルタントとして起業しつつ、ソーシャルビジネスを追求するという結論へと繋がりました。
育児と家事と言っても、中学生の息子のスポーツ・塾関係・進路関係、幼稚園の娘の送り迎え・お風呂当番ぐらい。全体の仕事量の2割ぐらいですかね。それでも妻にとっては心理的な負荷が軽くなり、心のキャパに余裕ができたと思う。
一番身近にいる女性活躍の為に、「男性の家庭進出」をN=1で実践する。お互いの心のキャパを考慮しつつ、お互いの心の器をうまく満たす。当社ソーシャルビジネスの検討の一環として、自分の身体を使って試してみています。これも1つの社会実験かもしれません。